となりの百怪見聞録 1
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4.6 • 17件の評価
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発行者による作品情報
怪異に好まれる男・片桐甚八と、“オバケ先生”と呼ばれる好事家・原田織座。“あちら側”に縁ある男ふたりの、不思議と恐怖と好奇心の見聞録、はじまり、はじまり。
APPLE BOOKSのレビュー
鬼市に迷い込んでしまったが故に、怪異を引き寄せる何かを身に付けてしまった装丁家と、 “オバケ先生”という異名を持つ日本画家の周りで起きる、ぬらりとした恐怖と不可思議に包まれる百怪見聞録。この世とあの世がつながる中立地帯で、意図せずに自らの“常人としての日常”を怪異に売ってしまった片桐甚八。その日から、怪奇な出来事や妙なものを収集する日本画の教授、原田織座と奇妙な縁でつながることとなる。何かと怪異に呼ばれる甚八は、彼らとの折り合いの付け方、かわし方をオバケ先生から教えてもらう代わりに、彼の道楽に付き合うことに。顔の知らない隣人、古本に紛れ込んだ誰かの気配など、身近であるからこそぞっとする。あの世の空気にのまれそうになった読者を、2人のコミカルな掛け合いや関係でこちらの世界に引き戻してくれる、物語の陰と陽のバランスが絶妙な作品。