なぜ世界は存在しないのか
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発行者による作品情報
世界の最先端を牽引する「新しい実在論」のマニフェスト、ついに電子版登場! 1980年ドイツ生まれのマルクス・ガブリエルは、今、最も注目されている哲学者です。その名を一挙に知らしめた『なぜ世界は存在しないのか』は、さまざまな領域に波紋を生み続けています。日本でも多くの読者を獲得している本書とともに、AIの飛躍的進化が象徴する先の読めない状況の中で、改めて「世界」と「人間」について考えてみましょう!
APPLE BOOKSのレビュー
1980年生まれ、史上最年少の29歳でボン大学の教授となったドイツの若き哲学者マルクス・ガブリエルの名を一気に広めたベストセラーの哲学書。人間とは無関係に、事実それ自体が存在するという“形而上学”と、事実それ自体は存在せず、人間が認識することで初めて事実が構築されるという“構築主義”。その両者を共存させる“新しい実在論”を唱える著者は、物事の実在には“意味の場”が必要で、“存在する”とは何らかの意味の場の現れであると説く。そこから発展するのが“世界は存在しない”というテーゼ。一つの真理で絶対的に世界を捉えることは不可能で、自然科学も宗教も一つの意味の場にすぎないと説き明かし、著者の明快な主張を基に、科学の神格化やファシズムを批判する。イマヌエル・カントやハイデガー、セーレン・キェルケゴールといった哲学者の言説ばかりでなく、『マトリックス』から『ドイツ・チェーンソー大量虐殺』に至るまでの多数の映画や『ブレイキング・バッド』他のテレビシリーズ、あるいはジャクソン・ポロックのアクション・ペインティングなど、硬軟織り交ぜた例示も見事。哲学界のロックスターと称される著者が、ポストモダン以後の新たな哲学を世に問うた必読の一冊。