なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集
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4.5 • 2件の評価
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- ¥1,300
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発行者による作品情報
人間の裡に潜む不気味なものを抉り出し、独特の乾いた筆致で書き続けたシャーリイ・ジャクスンは、強烈な悪意がもたらす恐怖から奇妙なユーモアまで幅広い味わいの短編を手がけたことでも知られている。死後に発見された未出版作品と単行本未収録作を集成した作品集Just an Ordinary Dayより、現実と妄想のはざまで何ものかに追われ続ける女の不安と焦燥を描く「逢瀬」、魔術を扱った中世風暗黒ゴシック譚「城の主」、両親を失なった少女の奇妙な振るまいに困惑する主婦が語る「『はい』と一言」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。本邦初訳作多数。/収録作=「序文 思い出せること」「スミス夫人の蜜月(バージョン1)」「スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー」「よき妻」「ネズミ」「逢瀬」「お決まりの話題」「なんでもない日にピーナツを持って」「悪の可能性」「行方不明の少女」「偉大な声も静まりぬ」「夏の日の午後」「おつらいときには」「アンダースン夫人」「城の主」「店からのサービス」「貧しいおばあさん」「メルヴィル夫人の買い物」「レディとの旅」「『はい』と一言」「家」「喫煙室」「インディアンはテントで暮らす」「うちのおばあちゃんと猫たち」「男の子たちのパーティ」「不良少年」「車のせいかも」「S・B・フェアチャイルドの思い出」「カブスカウトのデンで一人きり」「エピローグ 名声」
APPLE BOOKSのレビュー
「今世紀の米文学界で最も異彩かつ異色な作家の一人」と称され、 “魔女"との異名ももつアメリカの女流作家シャーリー・ジャクスンの短編集「なんでもない一日」は、日常生活の中における人間の狂気を描くことに長けた作家による23の短編と5編のエッセイを収録。没後40年以上が経ってなおスティーブン・キングや宮部みゆきなど多くのミステリー作家から支持されるジャクスンが紡ぐ物語は、少しだけ歪な日常が淡々とした語り口で綴られ、終始不気味な雰囲気が漂う。じっくりと少しずつ味わいたい1冊。