はしっこアンサンブル(1)
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3.9 • 22件の評価
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- ¥800
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発行者による作品情報
『げんしけん』の木尾士目が新たに描く工業高校×合唱の青春物語! 声にコンプレックスを抱える藤吉晃。声変わりから極端に低い声になった彼は、「声を使わない仕事に就けるかも」という理由もあって工業高校に進学した。しかしそこで、合唱部を作ろうと意気込む同級生・木村仁と出会う。木村は藤吉の声に魅力を感じ、「一緒に合唱やろう!!」と誘ってきた! リアルな工業高校の日常と、歌で人の心が繋がってゆく青春模様です!
APPLE BOOKSのレビュー
若者たちのリアルな人間関係を描いた群像劇を得意とする、木尾士目の「はしっこアンサンブル(1)」。変声期に声が低くなったことが原因でコミュニケーションに自信をなくした工業高校の男子生徒、藤吉晃が仲間との出会いを通じて合唱の道を進む模様を描いた青春物語。小さな声でごく控えめに話す藤吉と、常に前向きで目標に向かって一途に突き進む行動的な木村仁。対照的な性格の2人が、合唱部を立ち上げるためのエピソードを通して、人間的に成長していく姿が生き生きと描かれる。偶然、特別な周波数の声が出せたことを喜ぶ藤吉に対し、それまで明るかった木村に微かな憧れや嫉妬の感情が生まれ、彼の複雑な心境が物語に深みを持たせている。合唱と工業高校という意外な設定で、城好きな建築科の生徒や、秘めたる才能を予感させる孤高の不良学生など、個性豊かなキャラクターが物語に登場し、彼らがストーリーにどのように絡んでいくのか、今後の展開に期待を抱かせる。作中では音楽に関するさまざまな理論もわかりやすく紹介され、知識を深めながら読み進めることができる。