ひだりポケットの三日月
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4.0 • 10件の評価
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- ¥1,300
発行者による作品情報
(「はじめに」より、一部抜粋)
生まれつき、左手指が2本しかありません。
右手の5本と合わせて、不恰好ですが、合わせてラッキーセブンの7本指。
これまで耳を塞ぎたくなる言葉をぶつけられた日や、
視線を受け止めきれない日もありました。それもまた人生です。
左手の障害を隠したかったとき、
やり場のない気持ちを受け入れ、守ってくれた場所が、左ポケットでした。
私には救いでもあり、同時にどこか虚しくもあった。
今でも、左のポケットに逃げ込むことがあります。
でも、今はもう悲しくなることはありません。
堂々とすることで得られる自由、隠すことで守ることのできる自由。
そのどちらも素晴らしくて、美しいという事実を、私は知っています。
きっと誰もが、やり場のない気持ちを胸に、ポケットに、今日を生きている。
ありのままの貴方が美しいのだというメッセージをこの本に託して。
昨日よりもほんの少し、貴方が自分のことを許せますように。
「自分のことが好きで、自分のことが嫌いな、世界に一人の貴方へ」
APPLE BOOKSのレビュー
スキンケア研究家として活動する著者、三上大進が自身の障がいを通して得た多くの気付きや、ポジティブに生きるこつを読者に送る『ひだりポケットの三日月』。生まれつき左手の指が2本という左上肢機能障がいのある著者は、左ポケットに左手を入れて隠そうとしてきた過去があった。しかし、東京2020パラリンピックのリポーターとして採用され、多くの選手たちと出会い、話をしたことで、自分自身の「チガイ」を受け入れられた分、誰かの「チガイ」も受け入れられるようになったという。人と違うことは決して悪いことではなく、自分の一部であること。その「チガイ」も含めて世界にたった一人のかけがえのない自分であることを私たちにも教えてくれる。彼が歩んできた道のりをクスッと笑えるような口調で語れるのは、きっといくつもの壁を乗り越えてきたから。障がいがあっても、そうでなくでも、どうしようもできない現実と日々向き合いながら、立ち向かって生きている私たちに、優しく「Be Happy」とエールを送ってくれる。
カスタマーレビュー
温かい一冊
第三章のお母様との件は胸が痛くなりました。それでも重くなりがちなテーマを三上さんの優しさとユーモアでふんわり心に沁みる一冊になっていると思います。