ようこそ、ヒュナム洞書店へ
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4.3 • 4件の評価
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- ¥2,800
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発行者による作品情報
【2024年本屋大賞翻訳小説部門第1位】
完璧な人生なんてないけれど、「これでいい」と思える今日はある。
ネットで人気を博し韓国で累計25万部(2023年9月26日現在)を突破した、心温まるベストセラー小説!
ソウル市内の住宅街にできた「ヒュナム洞書店」。会社を辞めたヨンジュは、追いつめられたかのようにその店を立ち上げた。書店にやってくるのは、就活に失敗したアルバイトのバリスタ・ミンジュン、夫の愚痴をこぼすコーヒー業者のジミ、無気力な高校生ミンチョルとその母ミンチョルオンマ、ネットでブログが炎上した作家のスンウ……。
それぞれに悩みを抱えたふつうの人々が、今日もヒュナム洞書店で出会う。
新米女性書店主と店に集う人々の、本とささやかな毎日を描く。
APPLE BOOKSのレビュー
韓国の小さな独立書店を舞台に、店長と店員、そして訪れるさまざまな人々との交流を描いた群像劇。韓国では、大型書店への集約が進む一方で、ブックカフェやセレクト書店などの独立書店も急増中。本作の舞台となるのも、ソウルの架空の住宅街ヒュナム洞にオープンした小さなブックカフェ。40歳手前の女性店主と、アルバイトのバリスタを中心につづられる40ものエピソードは、書店の雰囲気からコーヒーの香りまで感じられるほど丁寧な描写が際立つ。一つ一つは短くあっさりと読み進められるが、次の展開や登場人物の謎が明らかになっていくにつれて、連続ドラマを見ているようにワクワクしてくる。ネットの電子書籍出版プロジェクトに入選し、その後2022年には紙でも書籍化。韓国の本屋大賞にあたる“書店員が選ぶ今年の本”に選ばれ、2024年には日本でも本屋大賞翻訳小説部門第1位を受賞。韓国の書店事情や社会問題などが取り上げられているが、日本とも共通する部分は多く、何より登場する人々が抱える数々の悩みに共感してしまう。