わが思い出と冒険―コナン・ドイル自伝
-
-
4.0 • 1件の評価
-
-
- ¥770
-
- ¥770
発行者による作品情報
シャーロック・ホームズ物語の作者、サー・アーサー・コナン・ドイルの自伝。エディンバラ大学を卒業して眼科医となったドイルは、27歳のとき「緋色の研究」を書き、以後、長編4、短編56のホームズもののほか、歴史小説、スポーツ小説なども執筆。その生い立ち、家庭、交友から、ボーア戦争への参加や晩年の心霊研究まで、本書はホームズ・ファンの興味をそそらずにはおかない。
APPLE BOOKSのレビュー
イギリスの文豪アーサー・コナン・ドイルによる「わが思い出と冒険―コナン・ドイル自伝」。出生から晩年までの長き人生がドイル自身によって語られる。「シャーロック・ホームズ」シリーズのみならず、冒険やロマン、空想に満ちたエンターテインメント作品をいくつも手掛けてきたドイル。本書からは、彼の描く小説以上に、その人生こそが破天荒で冒険に満ちたものだったということがわかる。例えば、研修医時代には船医として航海に挑み、寒さで体がしびれるような氷の浮く海へ何度も落ちたり、船上火災に遭うなどした。40歳を過ぎた後、南アフリカの戦地に医師として赴いた際の大砲の砲弾が頭上を通過した体験など、驚くべきエピソードが淡々とした筆致で綴られていく。貧しい家庭で医者になるよう教育されたドイル。開業後に進んだ文学の道はもともと副業として始まったもので、職業小説家に至るまでのさまざまな見聞が、後に数々の名作を生み出す発想の源泉になっていることが読み取れる。それらの体験が小説としてどう昇華されたか、各作品への理解を深めるとともに、彼が描いてきた物語を再読するための手引きとなってくれる。