アルジャーノンに花束を〔新版‪〕‬

素晴らしい小説をありがとうございます。
人間の知能を変えることが出来るとは思えないが。
この作品はSFと考えれば納得出来る。

この本にもっと早く出会っていれば、
この本にもし出会わなかったら、

色々な物事にパラフレーズできる行動や言動や成長や慙愧や執念そんな出会いがこの本に詰まっています。

今のところ私にとって世界一かっこいい小説の主人公はチャーリー・ゴードンだと思いました。

また昨今(2025年)の揺籃期のAIのイメージも重なりました。

本当に凄い小説っス。

ぼくが頭が良くなったらきっと皆喜んでくれる、……そう信じて得た知識が他者と自分の間を分かつ楔となっても、自分と他者を満たす愛があれば、それは幸福と呼べるのではないか？チャーリーは幸福ではなかったか？

同じ人間同士なぜ差別をする？なぜ優劣をつける？
否、同じ人間同士だから差別し優劣をつけ、優しさや劣等感をぶつけ合い、お互いを知ろうとしない事でお互いの生を尊重し慈しむ。それは人間同士が共存するための妥協とも呼べる。

自らが打った楔を、忘れることはあっても、折に触れそれにつまづき倒れる事はあるだろう。そこに昔何があったのか？それを考える事は果たして重要な事なのだろうか？
チャーリーにとっては重要な事であった。なぜなら彼の愛した人々にとってそれが重要だったからである。彼にとって意味をなさなくなった楔を、彼の愛した人々が大切にしているから……
だから彼は最後に1人であの場所へ帰ったのだろう。今までもこれからも、ずっと人を愛しつづける為に。

チャーリーの幸福を私は心から願っている。