



イッツ・ダ・ボム
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3.0 • 1件の評価
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
阿部智里、額賀澪、川越宗一、波木銅らを輩出した
第31回松本清張賞受賞作!
森見登美彦さんが「もはやズルい」と、
米澤穂信さんが「夜の光を放つ、ささやかで切実な犯罪小説――圧倒的だった」と
激賞した鮮烈なデビュー作!
◆◆◆
グラフィティ graffiti
おもにエアゾールスプレーやマーカーを用いて街に書かれた名前や絵柄。
ボム bomb
街にグラフィティを書いたり、ステッカーを貼ったりする行為。またはその痕跡。
特に違法に行われるものを指す。
◆◆◆
「日本のバンクシー」と耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭・ブラックロータス。
公共物を破壊しないスマートな手法で鮮やかにメッセージを伝えるこの人物の正体、
そして真の思惑とは。うだつの上がらぬウェブライターは衝撃の事実に辿り着く。
(第一部 オン・ザ・ストリート)
20年近くストリートに立っているグラフィティライター・TEEL(テエル)。
ある晩、HEDと名乗る青年と出会う。
彼はイカしたステッカーを街中にボムっていた。
馬が合った二人はともに夜の街に出るようになる。
しかし、HEDは驚愕の“宣戦布告”をTEELに突き付ける。
(第二部 イッツ・ダ・ボム)
「俺はここにいるぞ」と叫ぶ声が響く、いま一番クールでアツい小説!
APPLE BOOKSのレビュー
ストリートカルチャーのグラフィティをテーマに描いた疾走感あるフィクション『イッツ・ダ・ボム』。「ボム」とは、グラフィティを街に書くこと。正体不明の覆面アーティスト、バンクシーをなぞらえ「日本のバンクシー」と呼ばれるブラックロータスという謎のグラフィティライターのボムが世間をにぎわしていた。雑誌やウェブサイトのライター、大須賀アツシはグラフィティに詳しくはなかったが、彼の作品を見て本にできるかもしれないと直感し、ブラックロータスを題材に取材を始める。第2部では、大須賀が取材したグラフィティライターのTEEL(テエル)の視点で、自分を慕うグラフィティ仲間のHEDとストリートカルチャーへの熱い思いが交錯する。グラフィティを一般的な観点から理解できる第1部と、実際にグラフィティを書く側のあまり知られていないディープな世界が描かれる第2部とで、グラフィティへの印象や価値観がまったく違うことが興味深い。グラフィティの始まりは、誰にも見てもらえない、声すら聞いてもらえない人々が「自分の存在がここにいる」と声を上げるシグナルだったという。そのカルチャーをリスペクトしているグラフィティライターもいれば、アートとして、商業的にグラフィティを書く人もいる。そんなさまざまな側面からこのストリートカルチャーを知ると、街に存在するグラフィティが今までとは違って見えてくるかもしれない。