イメコン
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- ¥690
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発行者による作品情報
ある地方都市に住む、人生負け犬気味の男子高校生・武川直央の前に現れた一分の隙もない謎のイケメン・一色一磨。“イメージ・コンサルタント”だと名乗る彼が、「じゃ、遠慮なく」と服装や仕草についてアドバイスをすると、変わりたいと願う依頼人の人生が少しずつ良い方向に向かっていく。さらに一色は依頼人の問題点を見抜く鋭い洞察力で、彼らが巻き込まれてしまった事件を次々に解決するのだった。本当のあなたを見つけてみませんか。“イメコン”一色と高校生の直央、二人が織りなすお仕事ミステリ。
APPLE BOOKSのレビュー
ドラマの脚本で注目され、2013年に作家デビューした遠藤彩見の連作小説「イメコン」。イメコンとは、イメージコンサルティングのことで、本作で探偵役を務める主人公、一色一磨の職業。世界的に活躍する彼が17歳の高校生、武川直央と出会うところから物語は始まる。第1話では、2人が関わることになった女性の印象を、一色がイメージコンサルティングの手法によって変化させ、その結果、彼女が巻き込まれていた事件が鮮やかに解決される。女性が自分の印象を変えることで周囲との関係性を改善していく様子は、現実世界での人間関係を映し出すようで興味深い。すご腕のコンサルと引きこもりがちな高校生という対照的な2人の凸凹コンビも魅力的で、小気味よいユーモアの利いた軽快なミステリーとなっている。イメージコンサルティングの手法は誰でもすぐに活用できそうなほどわかりやすく書かれており、まるで現実のコンサルティングの仕事を見るかのようなリアリティも魅力の一冊。