ウルトラライトハイキング ウルトラライトハイキング

ウルトラライトハイキン‪グ‬

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    • ¥1,600
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発行者による作品情報

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軽いって自由!
本邦初のウルトラライトハイキング解説本。 アメリカの3000kmを超える長大なトレイルを数ヶ月かけて歩き通す、スルーハイカー。 彼らは独自の理念で既成の商品にはない軽くシンプルな道具を自作し、 歩き通すためのノウハウを確立してきました。 本書はアメリカ生まれのウルトラライトハイキングを解説するとともに、日本での実践方法を紹介。

ジャンル
スポーツ/アウトドア
発売日
2011年
2月12日
言語
JA
日本語
ページ数
160
ページ
発行者
山と溪谷社
販売元
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
サイズ
22.8
MB

カスタマーレビュー

Yuya.Kuriyama

登山の在り方が変わった一冊

10年前にこの本を読んでから、登山の在り方が大きく変わりました。

アルパインクライミングを中心に登山を行って来ましたのでそもそもある程度は意識して無駄なものは持たない様にしていましたが、それでも"エスクペディションに耐えうるもの"である事を基準にしていました。
しかし"自分の行くフィールドに合わせたもの"を意識し、且つ一つの道具がいくつもの役割を担うもの、1g単位を意識して軽量化する事などを基準に、10年かけて少しずつ道具を削り落として行きました。(実際、当時から沢登り、藪岩、アイスクライミングと、森林限界以下のフィールドが主だった。)

10年前と異なり現在ではプロの職業者として登山技術指導にあたるなか、より厳しい安全基準を設けた中で装備構成を組んでいますが、幕営装備のベースウェイトで4.5kg、水や食料、ガチャ類、ロープなどを含んだ重量でも12kgを切れる様になりました。冬季でも36L/15kg未満に抑えられています。

これによる恩恵は計り知れません。10年分年齢が増したのにも関わらず、山の中では確実に10年前より自由に動けています。特に登攀であったり、倒木や沢のゴーロ帯などではもう明らかに動きが変わります。
これでもギリギリまで削って多くのことを我慢してるかと言えばそうでも無く、本当はまだ1kg~2kgは削れる中、快適性や安全性を重視して重量を削り切っては居ません。この辺りは"仕事"で山に入るのでストイックに攻める場では無いこと(自分自身にとっては十分余裕のある山にしか殆ど入らない)や、クライアントの緊急時に対応出来るだけの装備が求められる(普通の登山より過剰に持たなければならない)為です。

なので軽量化に攻める一般登山者であれば、厳冬期幕営装備で10kgを切る事も全く難しく無く、それによってもたらされる変化はとても大きいものとなります。

ウルトラライトハイキングの装備構成は安全基準が低いと誤解されている方もいるかも知れませんが、軽い装備 = 壊れる と言う事でもなく、例えばガスストーブより軽い固形燃料が壊れるなんて事はありません。粉々に潰れてもお湯を沸かせます。
持つべき装備を全て持ち、不要な装備は一切持たない。あれば便利、あれば快適を削り落とし、ひとつひとつの装備を1gも妥協せずに軽いものに選択していけば、その軽さからもたらされる安全性の方が遥かに大きいと個人的には感じています。

サラッと読んで終わりな一冊では無く、本棚に永久保存される一冊にして良い名書です。
すごくオススメ!