オリンピア・キュクロス 1
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4.2 • 20件の評価
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発行者による作品情報
古代ギリシャの青年デメトリオスは、壺絵師見習いの“草食系オタク”。ある日、村の争いに巻き込まれ、思い悩むうち、なぜか”1964年オリンピックに沸く東京”に漂着…!? 時空を超えた奇跡の喜劇、ここに開幕――!!!
APPLE BOOKSのレビュー
古代ローマと現代日本の異文化比較をベースに「テルマエ・ロマエ」を描いたヤマザキマリによる「オリンピア・キュクロス1」。本作では、五輪発祥の地、古代ギリシャと東京オリンピックに沸く1964年の日本を舞台に、壺絵師見習いの青年デメトリオスが2つの世界を行き来し、さまざまな騒動を巻き起こす。世界各国の文化を享受し、急速に成長する当時の日本の空気感を反映した時代設定を描きながら、双方の時代や文化のギャップに着眼し、時空を超えて文化を比較する面白さを紡ぎ出していく。主人公の真面目な振る舞いが、一層おかしみを引き立てる。ギリシャ人の迫力ある肉体美や史実に基づいた風俗の描き方は、イタリアで油絵や美術史を学んだ経験のある著者だけあって、説得力十分。全編にわたり練られたユーモアが貫かれているものの、オリンピックやスポーツ競技のあり方を問い直す一面も垣間見える意欲作。