



カケラ
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3.6 • 118件の評価
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- ¥680
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発行者による作品情報
美容外科医の橘久乃は幼なじみの志保から「やせたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。有羽は高校二年から徐々に学校に行かなくなり、卒業後、ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなっているのが見つかったという。母が揚げるドーナツが大好物で、それが激太りの原因とも言われていた。もともと明るく運動神経もよかったというその少女は、なぜ死を選んだのか? 「美容整形」をテーマに、外見にまつわる固定観念や、人の幸せのありかを見つめる、心理ミステリー長編。
APPLE BOOKSのレビュー
なぜ少女は、大量のドーナツに囲まれて死んだのか。その死を巡って複雑に絡み合った人間関係が解き明かされた時、待ち構える真実に心揺さぶられる湊かなえの心理ミステリー。美容整形外科医の橘久乃は小学校時代の同級生、横網八重子の娘の有羽が自殺したと知る。明るく運動神経も良かったという有羽だが、肥満が原因で自ら命を絶ったともささやかれていた。そんな彼女は、八重子が作る揚げドーナツが大好きだったという。久乃は母娘を知る周囲の人々に話を聞き、事件の真相を調べ始める。しかし、彼らの証言は少しずつ異なっているのだった。うそと秘密が交錯する一人称語りによって、何度も輪郭を変えていく少女の悲劇。その構成と展開の妙は、まさに湊ワールドの真骨頂だ。ルッキズム、美容整形といった今日的なトピックを切り口としながら、物語の根底には母と子の関係、そしてセルフラブという根源的なテーマが横たわる。社会のまなざしは、時として無責任で残酷だ。そのまなざしにさらされながら、私たちはそれでも自分を愛し、自分の人生を生き抜くことができるだろうかと考えさせられる。本作の真実にたどり着いたとき、タイトルの意味を踏まえてもう一度読み返したくなるはずだ。
カスタマーレビュー
久しぶりに
高校生までは湊かなえさんの作品が好きで(というよりかはミステリーが好きでしたが)母親が図書館から借りてきた作品を読んでいました。
それから大学生、社会人になり暫くは自己啓発本を読むようになりミステリーからは離れていました。
今回、ふらっと立ち寄った本屋の「ランキング1位」という言葉を目にし、この本を購入(携帯で笑)。
プロローグ、1章と読み始めた感想としては「難しッ」。
めちゃくちゃ読書慣れしてるわけでもないので、登場人物を想像して誰が何のことやらとモヤモヤしながら進めていきました。
各章で実際に喋るのは1人だけという構成になっており、各章を経ていく毎に"カケラ"が埋まっていく。そして最後にはそのパーツが埋まりきり、物語が完結する。そんな作品でした。
やっぱり本を書く人って頭の中どうなってるんだろう?ドーナツ屋さんのお店の名前を考えるだけで私なら小一時間悩みそうなのに、、笑
小さい時からこういう本をただ読むんではなくて、文学的な構造理解をしながら読んでればよかったなーと後悔しました。
これを機にたくさん本を読みたいと思える作品でした!ありがとうございました!
(欲を言えば、もっと「超超大ドンデン返し」みたいな作品が好きなので☆4です。すいませんこれは完全に個人の好みの話)
題材は興味深い。
そういうスタイルだと思いますが、あまりまとまりのない人間の話を聞かされているようで、私には不向きでした。
題材は面白いと思います。興味深いなと思いました。
私はあまり話が逸れたりするのが好きではないので、読み進めるのが少し難しかったです。
やっぱり好き
続きが気になってどんどん読み進めました。
もちろん結末も気になりますが、個人個人の方々の小さな表現が的確すぎて、わかるー!と思う部分が多く、この方は男性の心理や海外の描写など、どうしてそこまで気がくばれるんだろう?という文章にいつも脱帽させられます。
こんなに複数の違う人の立場になって文章書けるなんて天才すぎる!
結末はあっけない気がしましたが、実際の殺人事件もそんなことってありそうだよって気もしました。きっとよく考察されての結末だろうと思います。
個人的には、男性の描写のところが好きでした。