「カッコいい」とは何か 「カッコいい」とは何か

「カッコいい」とは何‪か‬

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発行者による作品情報

本書は、「カッコいい」男、「カッコいい」女になるための具体的な指南書ではない。そうではなく、「カッコいい」という概念は、そもそも何なのかを知ることを目的としている。



「カッコいい」は、民主主義と資本主義とが組み合わされた世界で、動員と消費に巨大な力を発揮してきた。端的に言って、「カッコいい」とは何かがわからなければ、私たちは、20世紀後半の文化現象を理解することが出来ないのである。



誰もが、「カッコいい」とはどういうことなのかを、自明なほどによく知っている。

ところが、複数の人間で、それじゃあ何が、また誰が「カッコいい」のかと議論し出すと、容易には合意に至らず、時にはケンカにさえなってしまう。



一体、「カッコいい」とは、何なのか?



私は子供の頃から、いつ誰に教えられたというわけでもなく、「カッコいい」存在に憧れてきたし、その体験は、私の人格形成に多大な影響を及ぼしている。にも拘らず、このそもそもの問いに真正面から答えてくれる本には、残念ながら、これまで出会ったことがない。



そのことが、「私とは何か?」というアイデンティティを巡る問いに、一つの大きな穴を空けている。



更に、自分の問題として気になるというだけでなく、21世紀を迎えた私たちの社会は、この「カッコいい」という20世紀後半を支配した価値を明確に言語化できておらず、その可能性と問題が見極められていないが故に、一種の混乱と停滞に陥っているように見えるのである。



そんなわけで、私は、一見単純で、わかりきったことのようでありながら、極めて複雑なこの概念のために、本書を執筆することにした。これは、現代という時代を生きる人間を考える上でも、不可避の仕事と思われた。なぜなら、凡そ、「カッコいい」という価値観と無関係に生きている人間は、今日、一人もいないからである。



「カッコいい」について考えることは、即ち、いかに生きるべきかを考えることである。



――「はじめに」より

ジャンル
小説/文学
発売日
2019年
7月16日
言語
JA
日本語
ページ数
380
ページ
発行者
コルク
販売元
Mobilebook.jp, Inc
サイズ
5
MB
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