ガンボ! ジャズの街ニューオーリンズで暮らした十余年 リニューアル版
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- ¥1,100
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発行者による作品情報
ジャズ発祥の地であり、特異な歴史と多様な文化に彩られたアメリカ南部の街・ニューオーリンズ。ミドルエイジにさしかかった著者は、短期の予定で訪れたこの街に魅せられて移り住み、しっかりと根を張って歩み始めます。世界的にも稀有な「ジャズフューネラル」(ジャズ葬式)、世界3大カーニバルの1つ「マルディグラ」、ジャズファンの聖地「プリザヴェーション・ホール」、伝統的ニューオーリンズ料理などを、写真を交えて紹介しつつ、周囲の人々の魅力的な姿と心躍る日常の断片を生活者の視点から軽快に綴るエッセイ集です。
本書は、2006年12月に発行されたオリジナル版に新たなエピソードや写真を加えたリニューアル版。この地を訪れたことのあるニューオーリンズ・ファンはもちろん、これからアメリカ南部を旅してみたいと思っている人なら一読すべき、ニューオーリンズの空気と息づかいが感じられる1冊です。
「エピローグ」より
ガンボを作るたび、食べるたび、思う。
ガンボは、ニューオーリンズそのものだ。
幾多の食材がひとつ鍋の中で調理され、個々のもち味を損なうことなく、いや、むしろ個々のもち味を最大限に生かしつつ、質の高い料理に仕上がっている。
何もかもが一緒くたになっているようで、けっして単なるごった煮にはなっていない。
このガンボの特質は、ニューオーリンズの街に、そっくりそのまま当てはまる。
ニューオーリンズを構成するあらゆる要素――文化・伝統・言語・人間など――は、限りなく多彩である。多彩ではあるが、メルティングポット(るつぼ)の中身ほどには溶けきらず、それぞれが原形をとどめている。あるいは原形をとどめようと努める姿勢を見せる。
「ガンボな」という形容が許されるなら、ニューオーリンズは、まさしく「ガンボな街」なのである。
【目次】
帰りのチケットを捨てる
フレンチ・クォーターに、住む
中古品と骨董品のあいだで
ブーちゃん、がんばる
屋根裏部屋へ
ツアーガイドになってみたら
プリザヴェーション・ホールと、老ミュージシャンたち
音楽が降ってくる街
ジャズフューネラル
家物語その1
家物語その2
華やかな老女、クレア・オルソン
ラディカル老人、ビル・コックス
ジージ、ニューオーリンズを闊歩
ニューオーリンズ人の舌と胃袋
食べる、パーティー
ザリガニを食す
ガンボを作る
マルディグラの白い象
アフター・カトリーナ
【エピローグ】限りなく、ガンボ!
リニューアル版あとがき
カスタマーレビュー
愛する思いはニューオリンズの魅力を色濃く届けてくれる。
ニューオリンズを1度経験しているので、生活感溢れる描写に、現地を有り有りと思い出すことができる。そして短期滞在では体験し尽くすことができない、音楽と人情と美味が織りなすガンボな、ニューオリンズの生活に嫉妬を感じるほど。ニューオリンズの再訪を決意させる一冊でした。著者の作ったガンボを是非食してみたいものだ。