



キッチン
-
-
4.3 • 191件の評価
-
-
- ¥470
-
- ¥470
発行者による作品情報
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う――。同居していた祖母を亡くし途方に暮れていた桜井みかげは、田辺家の台所を見て居候を決めた。友人の雄一、その母親のえり子さん(元は父親)との奇妙な生活が始まった。絶望の底で感じる人のあたたかさ、過
ぎ去る時が与える癒し、生きることの輝きを描いた鮮烈なデビュー作にして、世界各国で読み継がれるベストセラー。「海燕」新人文学賞・泉鏡花文学賞受賞作。
APPLE BOOKSのレビュー
作家・吉本ばななの短編集「キッチン」。海燕新人文学賞を受賞し、吉本のデビュー作ともなった表題作は、育ての親であった祖母を亡くし天涯孤独の身となった主人公・みかげと、とある親子との共同生活をつづる物語。妻の死を機に性転換をした、底抜けに明るくて美しいえり子さん。彼女に育てられた雄一。そして、彼に誘われて居候となったみかげ。どこか風変わりな形でありながら、大切な人を喪失する悲しみを知る3人がいたわり合い、救われていく様子が本作の魅力。互いの素性もあまり知らないまま、食卓を囲んだり、冗談を言い合うなど、家族や恋人といった言葉では定義できないゆるやかな関係性が心地良く、作品世界に引き込まれる。窓から見える夜景、降り注ぐ朝の光、草花の気配など登場人物たちの心理を暗示した風景描写も秀逸で、絵画作品を鑑賞するように楽しめる。みかげたちのその後を描いた続編も含め、吉本作品の魅力に触れるのに最適な一冊。
カスタマーレビュー
良き
素晴らしい本です
何度でも読めます
再読の発見
13歳で読んだ本を、五十歳で、もう一度。
読む側の人間の変化を、観察する感じがして、なかなかない体験だった。
つぎは、つぐみを。
昔、話題の小説。ですが…
ちょっと変わった考えの人が主人公の小説は、共感出来る事が少なくなかなか読み進める速度がどうしても遅くなってしまいます。
昔、凄く話題になった小説なのにまだ読んだ事がなかったので今回読んでみましたが、やはり共感するエピソードもなく、落としどころも良く分からないまま読み終わってしまいました。
文章的には読みやすかったんですけどね