ケチる貴方
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3.7 • 3件の評価
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- ¥650
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発行者による作品情報
【冷え性×脂肪吸引】
コンプレックスを抱えるすべての人に捧ぐ、痛快"身体"小説!
どうして私は、金太郎のようにガッチリ、ムッチリなのに、こんなにも寒がりなんだろう。
佐藤は極度の冷え性だが、その見た目のため、同僚にバレないように暖をとって生活している。
しかし新入社員の教育担当になった途端、身体が火照り始めーー?
第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と、
第38回大阪文芸賞を受賞した、脂肪吸引がテーマの「その周囲、五十八センチ」を豪華同時収録。
~こんなに冴えない人間であるが、それでも私は自分がいちばん可愛い。~
どうしてこの身体は、頑なに熱を生産しないのだろう。
骨と皮なら理解できるが、お前は脂肪の塊じゃないか。(ケチる貴方)
私の脚は、生まれながらに、人並み外れて太かった。
脚が太いと、ヒトの人生は、ものすごく難易度が上がる。(その周囲、五十八センチ)
APPLE BOOKSのレビュー
テーマは冷え性と脂肪吸引。ボディビル大会に出場する女性会社員の姿を、ジェンダーバイアスの問題を交えつつ軽妙に描いた『我が友、スミス』でデビューした作者の第2作。自らの肉体に振り回されながら生きる女性の日常を描いた2編を収録。表題作の「ケチる貴方」は、幼いころから極度の冷え性をひた隠しにして悩む女性が主人公。“温活”と称してあらゆる体質改善に取り組むが、効果はない。備蓄用タンクの設計施工を請け負う会社に勤めながら、常に冷えにいら立つ彼女は百点満点のドケチ。財布のひもも固いし、見積もり作成時のエクセルのショートカットキーは知的財産だ。そんな彼女が新人の教育担当を命じられ、不本意ながら親切な行いをした結果、体温に変化が訪れる…。上司、同僚、新入社員に産業医。彼女が周囲に向けるシニカルで鋭い観察眼がとにかく面白い。脚の太さを気にして脂肪吸引を繰り返す「その周囲、五十八センチ」ともども、取りつかれたように自分の身体に執着し、変わることに依存する姿は、旧態依然とした女らしさやルッキズムにとらわれた社会の滑稽(こっけい)さをあぶり出して、クスリと笑わせる。フェミニズムをユーモアで包んで描く離れ業。