



コメンテーター
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4.1 • 31件の評価
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- ¥1,700
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発行者による作品情報
あのトンデモ精神科医・伊良部が17年ぶりに復活!
直木賞受賞、累計290万部の「伊良部シリーズ」、17年ぶりの新刊です。
低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?
APPLE BOOKSのレビュー
『空中ブランコ』で奥田英朗に直木賞をもたらしたドクター伊良部シリーズが、復活を遂げた。精神科医、伊良部一郎の破天荒なキャラクター、おきて破りの治療法でさまざまな悩みを抱えた患者たちを立ち直らせていく痛快無比な展開で知られる同シリーズ。ドラマや映画など多方面でメディア化され、多くのファンを獲得してきた作品だけに今作への期待値も高かったわけだが、その期待に応えて余りある仕上がりとなっている。過去作からの読者はますますパワフルな伊良部節に一安心だろうし、本作で初めてドクター伊良部と出会った読者はすぐに過去作に手を伸ばしたくなるだろう。低視聴率にあえぐワイドショーに手違いからコメンテーターとして出演することになった伊良部と看護師マユミの、放送事故寸前の暴走ぶりに胸がスカッとする表題作をはじめ、計5作の短編を収録。表紙カバーに不織布マスクが描かれたのにも象徴的されるように、コロナ禍を経験した2020年代に伊良部シリーズが復活した意味は大きいはずだ。メンタルヘルスの問題や社会の構造がさらに複雑化した今、私たちの奥底に沈殿していたものをそっとすくい取り、少しだけ心を軽やかにしてくれる快作。