サイバー戦争 終末のシナリオ 上
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3.0 • 1件の評価
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- ¥2,400
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発行者による作品情報
小泉悠氏 激賞! フィナンシャル・タイムズ&マッキンゼー 年間ベストビジネスブック2021受賞 ネット文明の脆さを暴く迫真のルポ セキュリティホールの情報を高額で闇取引するサイバー武器商人。システムに罠を仕掛け金融、医療、原発など敵国のインフラを壊滅させるタイミングを窺う政府機関やテロリスト――。気鋭のジャーナリストが、ウクライナからロシア、中東、中国、北朝鮮、シリコンバレーまで世界中を舞台に水面下で繰り広げられる「見えない軍拡競争」の実態を体当たりで取材。スパイ小説さながらの臨場感あふれる筆致で、今そこにある「サイバー最終戦争」の危機を浮き彫りにする。 「恐怖・利益・名誉――人間の性(さが)こそがサイバー戦争を突き動かす原動力である」――小泉悠(東京大学先端科学技術研究センター専任講師、『現代ロシアの軍事戦略』著者 本書解説より)
APPLE BOOKSのレビュー
ニューヨークタイムズの記者が、10年以上の取材をまとめた渾身の一作。タイトルから連想されるインターネット時代の話だけでなく、1980年代のソ連とアメリカの諜報戦などにも触れながら、いかにその様相が変わってきたかを、国家間、企業間など、さまざまな角度から取り上げる。現在我々が享受している先端技術は、使い方次第で毒や兵器に変質する。ロシアからウクライナへのサイバー攻撃などは、まさに現在の情勢を象徴している。サイバー戦争は、銃火器による兵器の戦争よりも大きな被害をもたらすこともある。詳細な調査に基づいた重厚なスパイ行為を堪能する気分で読み進められ、丁寧な筆致により「ゼロデイ」「エクスプロイト」「バッチ」といったなじみのない専門用語も、読み終えるころには理解した気分になれる。そして、すべては現実に起きていることだと思い至った時、デバイスでインターネットに接続することを一瞬ちゅうちょするかもしれない。さらに、著者が明言するように、本書だけではサイバー兵器売買の全容解明に至っていないという事実にも背筋が凍るだろう。