サガラ~Sの同素体~(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

「ジパング」や「太陽の黙示録」などで知られる巨匠かわぐちかいじと、「勇午」などの漫画原作者、真刈信二という日本漫画界の大御所タッグが手掛ける本作は、現代を舞台とした硬派なアクション大河作品。エルサレムで極秘訓練を受けていた警察官の主人公サガラは、イラクで活動する日本人武装勢力の正体を突き詰めるという新たな密命を与えられる。武装集団のリーダー成瀬完治は、日本の大企業の御曹司でありながら紛争地の最前線で戦っていた。サガラは帰国し、情報戦で成瀬の企業に揺さぶりをかけるが、はるか遠方にいながらも成瀬はこの介入を敏感に感じ取る。本作の軸となる2人の因縁はここで相成るのだった。巨大組織に単身で立ち向かうサガラと、カリスマ性と野心をもって国家転覆の陰謀をもくろむ成瀬。そして2人が持つ、同じダイヤが埋め込まれた腕時計の秘密。緊張感に満ちた男たちの静かな闘争は、やがて国を巻き込んで繰り広げられる壮大なサスペンスストーリーへと展開する。