シャドーハウス 1

APPLE BOOKSのレビュー

貴族のまね事をする顔のないシャドー一族と、彼らの”顔”として作られた生き人形たちの日常を描くダークファンタジー。生き人形のエミリコは、大好きな主人ケイトの身の回りの世話や館の清掃が仕事。ケイトは明るく前向きなエミリコの成長を見守りつつも、シャドーハウスの存在に疑問を抱いていた。「シャドーハウスとは何なのか」という謎が、物語に異様な緊張感を漂わせる人気作。愛らしいキャラクターたちと、耽美でサスペンスフルな舞台設定のギャップがたまらない。英国貴族を思わせる調度も魅力。「考えてはいけない」と諭される生き人形たちはもちろん、悲しみを背負ったケイトがどんどん好きになり、続きを読まずにいられなくなる。2021年よりアニメ化。