センス・オブ・ワンダー
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- ¥1,900
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発行者による作品情報
先駆的に化学物質による環境汚染を訴え、今に続く環境学の嚆矢ともなった『沈黙の春』の著者であり科学者であるレイチェル・カーソン。そのカーソンの最後に遺した未完の作品が『センス・オブ・ワンダー』だ。本書は独立研究者・森田真生による新訳と、「その続き」として森田が描く「僕たちの『センス・オブ・ワンダー』」で構成する。カーソンが残した問いかけに応答しつつ、70年後の今を生きる森田の問題意識に基づいた、新しい読み解き、新しい人間像の模索を行う。
APPLE BOOKSのレビュー
環境汚染にいち早く警鐘を鳴らし、世界に大きな影響を与えた『沈黙の春』で知られるレイチェル・カーソンの遺作を、独立研究者として活動する森田真生が新たに翻訳した書。レイチェルと、彼女の幼い甥(おい)が自然の中で過ごしたかけがえのない時間を詩情豊かな筆致で描く。レイチェルは、たくさんの“初めて”と出会い、目を輝かせる甥と共に自然や生き物の不思議さに目をみはり、耳を澄ます。そして、多くの人たちが大人になるにつれて手放していく「センス・オブ・ワンダー(驚きと不思議に開かれた感受性)」こそが、この地球で生きていく人々の礎になるのではないかと静かに問いかける。この『センス・オブ・ワンダー』はレイチェルが最後に遺した未完の作品であり、森田は今回さらに「その続き」を書き継いだ。幼い息子たちを育てる森田もまた子どもたちの真っすぐな目線に感化され、居を構える京都の自然に触れ、思索を深めていく。生物学や心理学、哲学などあらゆる学術を横断し、さまざまな研究者の言葉も引用しながら思いを巡らせる森田の思考は、レイチェルが伝えた深いメッセージの本質に触れる大きな糸口となるはずだ。