ドーナツとカフェラテと
ーー検索できない名前を胸に
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4.1 • 24件の評価
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発行者による作品情報
2000年、まだスマホもなく、連絡は家の電話か手紙だった頃。
放課後の駄菓子屋、家の庭の仔馬、砂場で作ったお城。
小さな奇跡のように出会った奏汰と千穂は、親友でも恋人でもない、たった一つの関係を築いていた。
やがて訪れる別れとすれ違い。
途切れた文通、遠ざかる距離。
そして、大学の入学式の日と、駅前のドーナツ屋での再会。
「信じてるよ」――その言葉は、人生の暗闇を照らす光になった。
これは、忘れられない人との記憶が、
大人になった自分を支える物語。
会えない時間が残したもの、
そして、あの日交わした言葉が、ひとりの人生をどう変えたのか。
温かな余韻と、切ない懐かしさを胸に残す、文通と再会の物語。