



ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
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3.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
「ごめんなさい。やっぱり私はあいつと戦います」平凡な高校生・山本陽介の前に現れたセーラー服の美少女・雪崎絵理。彼女が夜な夜な戦うのは、チェーンソーを振り回す不死身の男。何のために戦っているのかわからない。が、とにかく奴を倒さなければ世界に希望はない。目的のない青春の日々を“チェーンソー男”との戦いに消費していく陽介と絵理。日常と非日常の狭間の中、次第に距離が近づきつつあった二人に迫る、別れ、そして最終決戦。次世代文学の旗手・滝本竜彦のデビュー作。
APPLE BOOKSのレビュー
“ひきこもり世代のトップランナー”のキャッチフレーズで、ゼロ年代を代表する小説家となった滝本竜彦のデビュー作。ごく平凡な高校生を主人公に、誰もが経験するであろう思春期の漠然とした焦燥感を描き出す。代わり映えのない日々を送る高校2年生、陽介の前に突然現れたセーラー服の美少女、絵理。彼女は人知れず毎晩、不死身のチェーンソー男と戦っている。その男が何者なのか、何のために戦っているのかは絵理にも分からない。しかし、陽介は彼女を放っておけず、足手まといになりながらも共にチェーンソー男との戦いに身を投じていく。次第に距離を縮める陽介と絵理だが、やがて別れの時が迫り…。繰り返される日常の中で不条理な戦いに明け暮れる高校生の物語。2人の戦う姿が目に浮かぶ、疾走感あふれるアクション描写が痛快で、のちにマンガ化、映画化もされた。誰の目にも映らない非現実的な戦いは、自分との戦いに他ならない。荒唐無稽なファンタジーでありながら、若者の抱える葛藤をみずみずしく描いた青春小説といえる。