ノッキンオン・ロックドドア
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4.5 • 28件の評価
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- ¥720
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発行者による作品情報
密室、容疑者全員アリバイ持ち──「不可能」犯罪を専門に捜査する巻き毛の男、御殿場倒理。ダイイングメッセージ、奇妙な遺留品──「不可解」な事件の解明を得意とするスーツの男、片無氷雨(ひさめ)。相棒だけどライバル(?)なふたりが経営する探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」には、今日も珍妙な依頼が舞い込む……。新時代の本格ミステリ作家が贈るダブル探偵物語、開幕!(解説:杉江松恋)
APPLE BOOKSのレビュー
探偵事務所ノッキンオン・ロックドドアを営む御殿場倒理と片無氷雨が、奇妙な難事件を解決していく連作短編ミステリー。密室状態のアトリエで画家が殺され、犯行現場にあった絵の1枚が赤に塗りつぶされた謎を追う「ノッキンオン・ロックドドア」、殺された女性の髪が切り取られ、持ち去られるという事件に挑む「髪の短くなった死体」など全7話を収録。緻密にして大胆なトリックを構築した本格ミステリーながら、ライトな語り口と軽妙洒脱(しゃだつ)な会話でテンポ良く読ませる。倒理と氷雨がダブル探偵であることも特徴で、倒理は密室トリックなど「不可能」(ハウダニット)解明を、対する氷雨はダイイングメッセージや動機など「不可解」(ホワイダニット)を専門とし、それぞれ異なる視点から事件を考察、解決へと導いていくところに醍醐味がある。さらに、探偵小説にはモリアーティ教授や怪人二十面相のような好敵手がつきものだが、本作では糸切美影という犯罪トリックの考案者が時に事件の裏で暗躍。倒理と氷雨の2人とは親友だったという謎めいた過去や因縁も、物語をけん引していく魅力だろう。本作は2023年にテレビドラマ化された。