ハンチバック
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- ¥1,400
発行者による作品情報
私の身体は、生き抜いた時間の証として破壊されていく
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。
打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。
――村田沙耶香
小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、
読後しばらく生きた心地がしなかった。
――金原ひとみ
文字に刻まれた肉体を通して、
書くという行為への怨嗟と快楽、
その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。
――青山七恵
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。
APPLE BOOKSのレビュー
第169回(2023年上半期)芥川賞受賞作 - 生きることへの覚悟を迫られるような、類いまれなるすごみに満ちた作品だ。背骨がS字に湾曲する重度の障がいがある主人公の井沢釈華。彼女は両親が遺したグループホームに住みながら有名私大の通信課程で学び、細々とネット記事を書く生活を続けている。湾曲した背骨は肺を圧迫し、切開した喉は痰(たん)の吸引が欠かせない。釈華にとっては歩くことや食べることはもちろん、書くことも多大な肉体的苦痛を伴う。それでも彼女は書き続け、「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」とSNSで呟いていた。しかし、そんな彼女の匿名アカウントを男性ヘルパーの田中が特定したことから、事態は大きく動き出していく。一人称の語り口はひょうひょうとしたユーモアすら感じさせるものだが、その内側から釈華の狂おしいほどの性の渇望と衝動があふれ出すさまに圧倒させられる。本作で鮮烈なデビューを飾った市川沙央は、自身も釈華と同じ障がいがある。ページをめくるたびに釈華と市川の“命”がギシギシと軋みながら共鳴し、熱く、力強く脈打つのを感じるはずだ。文字を“書く”という行為に彼女たちが全力で挑む姿に、文字を“読む”という行為の重みをも再確認させられる。
カスタマーレビュー
皮肉
日本社会の風俗を独自目線で痛烈に皮肉っている。
何とか読み終えました………。
やたら難解な言い回しが多くて、読み進むのが大変でした、何とか読み終えました。