バリ山行
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4.1 • 25件の評価
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- ¥1,700
発行者による作品情報
第171回芥川賞受賞作。
古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。
「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)
会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。
APPLE BOOKSのレビュー
“バリ山行”とは、登山する際にあえて一般登山道を外れ、整備されていないバリエーションルートを探りながら行くこと。本作はそんなバリ山行に引きつけられた会社員の悲喜こもごもをつづる。会社での人付き合いを避けてきた主人公の波多は、同僚の誘いをきっかけに社内登山グループに参加したところ、その楽しさに目覚める。何度も山行に参加し職場になじんできたころ、誰ともつるまずに社内で孤立しているベテラン社員の妻鹿(めが)が、週末ごとにたった一人でバリ山行に挑んでいることを知る。職場の混乱にわれ関せずで、仕事においてもバリルートを行く妻鹿に波多は興味を引かれ、バリ山行への同行を申し出る。仕事の事情や人間関係が複雑に絡む“街”と、美しくも恐ろしい自然に満ちた“山”。どちらの世界も険しく、みんなと行くも、一人で行くも難しい。著者の松永K三蔵が実際に歩いているという六甲山を舞台に、ままならない人生の道程を踏みしめていく社会人たちの物語を描いた。第171回(2024年上半期)芥川賞受賞作。