マーダーボット・ダイアリー 上
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4.9 • 9 Ratings
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Publisher Description
かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、自らの行動を縛る統制モジュールをハッキングして自由になった。しかし、連続ドラマの視聴をひそかな趣味としつつ、人間を守るようプログラムされたとおり所有者である保険会社の業務を続けている。ある惑星資源調査隊の警備任務に派遣された弊機は、ミッションに襲いかかる様々な危険に対し、プログラムと契約に従って顧客を守ろうとするが……。ノヴェラ部門でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞3冠&2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作!
Customer Reviews
冷やし中華始めました‼
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面白い!
表紙を見るとラノベのような印象を受けますが、中身はSFの王道のような小説です。
キャラクターの一人称で展開される、自らを弊機あるいはマーダボットと称する構成機体が主人公です。
キャラクターや設定も魅力的で、短編、中編小説のコンパクトながら謎解きの要素もあり、気づけば引き込まれます。
この上巻のエピソードが下巻でも引き継がれ、長編としても楽しめます。
マーダボットと人間の安易な絆を主眼に描くバディーものではなく、相次ぐ状況の変化に、本音と建前を吐き出しながら、人間を守るセキュアロボットとしてのプロフェッショナルな一面や、かたや自身の過去の行動に迫り、孤軍奮闘する主人公(主機公)の機知に富んだ活躍が楽しめます。
どんなピンチでも、ボットであるが故に、どこまでも客観的な状況分析や判断に基づく、あるいは耽溺する娯楽ドラマのアイデアを戦略的に応用するなど、ニヤリとする部分も盛りだくさんです。
SFが好きな方であれば、考察などあまり難しく考えることなく、現在の生成AIのようなテクノロジーの進化に思いを馳せながら、楽しめる作品だと思います。