ミュージアム(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

私的な制裁“私刑”で裁きを下そうとする連続猟奇殺人犯に立ち向かう刑事の死闘を描いたサスペンスホラー『ミュージアム』。廃ビルで無残に殺された女性の遺体が発見される。殺害方法は犬たちに生きたまま食い殺させるという常軌を逸するものだった。犬のおなかから出てきた1枚の紙に書かれていたのは“ドッグフードの刑”。そしてまたすぐに次の殺人が決行された。被害者は母と2人暮らしをする引きこもり。切断された遺体の肉片が乗ったはかりが示すのは3280g、それは彼の出生体重だった。残された紙に書かれていたのは “母の痛みを知りましょうの刑”。次々と起こる凄惨な殺人事件の被害者にある共通点が見つかり…。息をつく暇もないスピード感ある構成に一気に引き込まれるが、グロテスクな描写が苦手な読者は覚悟が必要かもしれない。2016年に小栗旬主演で実写映画化されている。