ライオンの夢 コンデ・コマ=前田光世伝
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5.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
世界で2000試合無敗の伝説を持ち、グレイシー柔術の祖となった日本人
遠く明治時代、アメリカを振り出しにヨーロッパ、中南米と、世界各地を放浪しながら異種格闘技戦を繰り返し、二千試合無敗の戦績を残した柔術家がいた。
コンデ・コマ=前田光世。グレイシー柔術の祖となった日本人の青春を描く。小学館ノンフィクション大賞優秀賞作品。
●神山典士(こうやま・のりお)
1960年埼玉県生まれ。信州大学人文学部卒業。ノンフィクション作家。主な著書に、第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞受賞作『ライオンの夢 コンデ・コマ=前田光世伝』(小学館)、『ひとりだちへの旅』(筑摩書房)、『「日本人」はどこにいる~異文化に生きる武士道のこころ』(メディア・ファクトリー)、『アウトロー』(情報センター出版局)など。
カスタマーレビュー
素晴らしい名著である
前田光世を通して、戦前の日本人の気高さ、矜恃というものが多くの資料や現地に飛び所縁の人を探してのインタビューから感じられる。また、当時の国際情勢にも触れている。
「まず一身の独立をはかれ」「偉人を景仰して感奮興起せよ」「修行鍛錬」「我の及ばざるを知れ」「遠大にして着実なる目的」「死して惜しまるる人たれ」柔道で身を立て、嘉納治五郎の夢を世界に継承し、のち「わが民族発展の地はこのアマゾニアにあり」と叫んで単身アマゾン開拓に身を捧げていく。
まさに当時の柔道は「小よく大を制す」の柔道であった。今の柔道はオリンピックで金を取るための柔道に成り果てた。
体重無差別、時間制限なしの一本をとるか、相手が参ったするまでの護身術が本来の柔道である。オリンピックの種目になるため無差別級をのこすことで軽量級・中量級・重量級の三つの体重制を妥協したのが、現在では日本選手権以外で無差別がなくなってしまっている。これでは「小よく大を制す」と小泉八雲や新渡戸稲造等が欧米に紹介した柔道ではなくなってしまった。国内だけでも無差別の大会を増やさなければやがて五輪柔道でもメダルを取れなくなるだろう。
やはり欧米の白人至上主義はルールをも自分たちの都合で変えてしまう力を持っている。本書でもあるようにルーズベルトもそうである。日清戦争後は早くも「棍棒」が日本に向かって用意された。
欧米の不平等な包囲網から太平洋戦争になり、戦後の日本人には自信や自立などない国になってしまった。竹島の日本人をKoreaに一方的に殺され実効支配までされている。沖ノ鳥島をChinaが日本の主権を認めない報道をしている。これらに日本は対抗できるのか?