ヴエスヴイオ山
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『ヴエスヴイオ山』は、明治から昭和初期にかけて活躍した1882年5月14日[1] - 1953年2月25日)は、日本の歌人、精神科医である。斎藤茂吉のエッセイと回顧録である。この作品は底本の「斎藤茂吉選集 第九巻 随筆」では「エッセイと回顧録」としてまとめられている。初出は1981(昭和56)2月27日。(ヴエスヴイオ山)ポンペイの街をやうやく見物してしまって、午ひる過ぎて入口のところの食店レストランで赤葡萄ぶだう酒を飲み、南伊太利イタリーむきの料理を食べて疲れた身心を休めている。それから、此処ここで発掘した小さい瓶子へいしなどを並べて売るのをのぞくが、値が相当に高いので買ふ気にならない。