七つの殺人に関する簡潔な記録
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- ¥6,400
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発行者による作品情報
〈マン・ブッカー賞受賞作〉一九七六年十二月のボブ・マーリー暗殺未遂事件。襲撃犯は何者なのか――今も真相が明かされず、米国の陰謀すら囁かれる事件をもとにした長篇小説。ギャング、政治家、記者、CIA、亡霊など七十人が織りなす、公には語られない歴史
APPLE BOOKSのレビュー
2019年に米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた作家のマーロン・ジェイムズが、ジャマイカ人として初のマン・ブッカー賞を受賞した長編小説「七つの殺人に関する簡潔な記録」。レゲエ界のレジェント、ボブ・マーリーの謎に包まれた暗殺未遂事件を軸に、1970年代から1990年代に渡る、ジャマイカの血塗られた壮絶な歴史について、故人や政治家、CIAに雑誌記者、ギャングのトップから使い走りまで、老若男女大多数の人間たちがそれぞれの心の内を吐露してゆく。一人ひとりの独白が点と点でつながりながら隠れた影があぶり出され、ジャマイカという島の光と闇の全体像が浮かび上がっていく。目を覆いたくなるような暴力や貧困、複雑に入り組んだ政権闘争やゲットー間の抗争、ラスタファリ運動に同性愛問題。現実の事件や実在の人物とも重なる登場人物たちとフィクションが巧みに交差するその物語は、史実以上の生々しさと臨場感をもって読者に迫ってくるだろう。