世界は寒い(1)
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4.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
女子高生の殺人計画――「殺したいやつが居ない人間なんか居ねえだろ?」 それは、閉店間際のフードコートに忘れられていた。紙袋に入った拳銃を拾ったのは、バイトの女子高生6人組。突然手に入れた武器を前に、彼女たちは思い浮かべる。裏切られた元カレ、生き別れた父親、支配的な母親――あるいは自分自身。自分たちの世界をより良くするために、消えてほしいと願う人間を…。「女子高生がひとを殺すなんて誰も思わない。これってチャンスじゃないの?」
APPLE BOOKSのレビュー
拳銃を手にしたことをきっかけに、女子高生たちが自分の抱える葛藤やアイデンティティと向き合う群像劇。バイト仲間の女子高生6人組が閉店間際のフードコートで拾ったのは、紙袋に入った拳銃と5発の弾丸。そこから彼女たちは、もっと生きやすい世界にするために、それぞれの殺人計画を練り始める…。個性も価値観も家庭環境も違う6人は「殺したい相手」を知ることでお互いを理解し、連帯を強めていく。世界的に注目されるシスターフッドの文脈にある本作は、ドライで現代的な語り口により、6人を等しいバランスで描き出す。軽妙かつリアルな会話の描写に不意に差し込まれる、登場人物のむき出しの感情を表現する詩的なモノローグが、読者の心に鋭く突き刺さる。