世界2024年1月号
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発行者による作品情報
【特集1】ふたつの戦争、ひとつの世界
2022年2月24日、世界中が「いま、なぜ」と問うなか始まったロシアのウクライナ侵攻。その終わりはいまだ見えず、戦禍は拡大している。2023年10月7日に起こったハマスの襲撃が引き金となり、イスラエルはガザ地区への凄惨な攻撃を開始した。人質解放のための束の間の「戦闘休止」は平和に結実するのだろうか。
私たちが生きている世界では、いまも人が殺し、殺されている。その現実を直視しつつも、けっして平和をあきらめないために。停戦への道と世界のこれからを考える。
【特集2】ディストピア・ジャパン
世界各地で戦火がやまないなか、日本はそれでも平和を享受している――。それは事実なのか?
上がらない賃金と長時間労働、ジェンダーギャップ指数125位、横行するハラスメント、G7最下位の報道の自由度、根深い外国人差別・・・・・・。
同じ人間であるにもかかわらず、人間が貶められる現実が広がってはいないか。それは「平和」なのだろうか。私たちの足もとのディストピアを見つめる。
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■特集1 ふたつの戦争、ひとつの世界
〈インタビュー〉ガザ、人類の危機─それでも守るべき価値とは・・・・・・中満 泉(国連事務次長、軍縮担当上級代表)、聞き手=国谷裕子(ジャーナリスト)
国際法と学問の責任─破局を再び起こさないために・・・・・・根岸陽太(西南学院大学)
この人倫の奈落において─ガザのジェノサイド・・・・・・岡 真理(早稲田大学)
イスラエルの焦り─この戦争に終わりはくるのか?・・・・・・錦田愛子(慶應義塾大学)
正義論では露ウ戦争は止められない─ウクライナからカラバフへ、拡大する戦争・・・・・・松里公孝(東京大学)
〈対談〉二〇二四年の世界と日本・・・・・・田中 均(元外務審議官)×佐橋 亮(東京大学)
「ふたつの戦争」と米国の世界戦略・・・・・・菅 英輝(九州大学名誉教授)
宝塚の悲劇 何がカナリアを追いつめたのか・・・・・・川崎賢子(文芸評論家)
大川原化工機「冤罪」事件の深層─警視庁公安部で何が・・・・・・石原大史(NHK)
〈新連載〉最後は教育なのか? 第1回 「お花畑」は現実化する─仁平典宏さんに聞く・・・・・・武田砂鉄(ライター)
世界の潮
岸田減税が不人気な理由・・・・・・吉弘憲介(桃山学院大学)
性同一性障害特例法 違憲決定の意義・・・・・・木村草太(東京都立大学)
■特集2 ディストピア・ジャパン
人間であることが困難な世界で・・・・・・松村圭一郎(岡山大学)
〈インタビュー〉反社会的で、善なるもの─いま小説を書くということ・・・・・・桐野夏生(作家)、聞き手=前川仁之
〈インタビュー〉入管はなぜ姉を同じ人間として扱ってくれなかったのか─ウィシュマさん死亡事件の真相を求めて・・・・・・ワヨミ/ポールニマ、聞き手=伊藤詩織
さよなら、ジャニーズ。さよなら、テレビ。─見えない再生の糸口・・・・・・林 香里(東京大学)
スケッチ カメレオン通り・・・・・・多和田葉子(作家)
夜店 歴史学は世界を変えることができるか・・・・・・松沢裕作(慶應義塾大学)
事故と故事のあいだ─膨張する中国のナラティブ戦略・・・・・・福嶋亮大(文芸批評家)
植民地主義者とはだれか─台湾とパレスチナのいまを貫く問い・・・・・・駒込 武(京都大学)
国家が国籍を奪う─英国の経験・・・・・・柄谷利恵子(関西大学)
『心的外傷と回復』について・・・・・・阿部大樹(精神科医)
意見が嫌われる時代の言論・・・・・・大澤 聡(批評家)
〈最終回〉再録・大江健三郎のことば 第6回 「持続する志」「再び持続する志」・・・・・・大江健三郎 解題=山本昭宏
〈新連載〉〈小さな物語〉の復興─『フランケンシュタイン』をよむ 第1回 戦争・・・・・・小川公代