中世イングランドにおける修道院の所領形成
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発行者による作品情報
中世イングランドの裕福な人々は、修道院ができるとこぞって所有地を寄進し、自分自身や親族の現在ならびに未来永劫の繁栄を祈願しました。しかしその背景には、人々のキリスト教への純粋なる信仰心だけではなく、ローマ教会とブリテン島の征服者それぞれの思惑も存在していました。
本書では、冒頭で人類の土地移動の歴史を概観し、続いてアングロ・サクソン人によるブリテン島の征服とキリスト教化、1066年のノルマン征服以降に修道院への土地寄進がどのように広がっていったか、などについて、民族法や告解制度、土地利用といった観点を交えながら解説します。それぞれの時代背景において、人々が聖書の教えを意識的に、もしくは無意識の内に反映して日々を送ったことが伝われば幸いです。
【目次】
第1章人間の暮らしの始まり
第2章旧約聖書における土地取得伝承
第3章ゲルマン民族大移動
第4章イングランドにおけるキリスト教国家の誕生
第5章中世初期アングロ・サクソン村落共同体における民族諸部族法
第6章プレカリアの歴史的変遷
第7章ノルマン征服前後のイングランド
第8章ノルマン系諸侯の所領形成
第9章ハーバート・ロジンガの司教区改革
第10章13・14世紀の告解制度下におけるノーリッチ市民による修道院創建
第11章ノルマン征服から15世紀までのイングランドの社会
第12章ヘンリー8世による宗教改革