中国外交の大失敗
来るべき「第二ラウンド」に日本は備えよ
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習近平政権誕生後、領空・領海侵犯を繰り返す中国に対し、わが国はジリジリ追い詰められている、という印象をもっていた日本人は少なくないだろう。だからこそ、2014年11月に行なわれた日中首脳会談での習氏の物頂面はみなを驚かせた。
「あの瞬間、世界は日本が勝利し、中国が敗れ去ったことを認識した」。そう著者は語る。なぜ力にモノをいわせて傲慢に振る舞った中国は、いつの間にか窮地に陥って敗北したのか。そうした傍若無人な習近平外交に、安倍外交はいかなる手段で臨んだのか。
日々のニュースを表層的にみるだけでは、その本質はつかめない。両国間の緊張を一気に高めたレーダー照射事件、防空識別圏の設定から中韓首脳会談、日中首脳会談にいたる流れを緻密に分析しながら、本書はそのなかで日本外交の「戦訓」を見出していく。
ならば、「第一ラウンド」に完敗した中国が次にしかけてくるだろう「第二ラウンド」とは何か。そこで知っておくべきは、戦中から戦後にかけて連綿と続き、日本人を「骨抜き」にしてきた恐るべき「対日工作」の歴史である。
著者はいう。真に安定的な日中関係を築くためには、もはや憲法第9条の改正には一刻の猶予もない——。一触即発の東アジア情勢下で日本が「一極として立つ」ために必要な戦略を、当代随一の外交評論家があますところなく描き出した一書。
内容例:射撃用レーダー照射の意味は「攻撃予告」/一時は臨戦態勢に入った中国軍/瞬く間に中国で英雄扱いされたスノーデン/“利敵行為”に走った日本の有識者たち/国際法を完全に無視した防空識別圏の設定/フィリピンへの米軍巡回が与えるインパクト/お膝元の台湾、香港で起こった地殻変動/日中首脳会談の冒頭、全世界は日本の勝ちを悟った/「中韓共同戦線」の起源はいつなのか/「日本は文明程度が低い」とみなす韓国人/「日中国交正常化」という屈辱的な言葉遣い/対日「友好工作」を務めた超一級の工作員たち/戦勝国の権利を保障する「敵国条項」とは何か/九条改正にはもはや一刻の猶予もならないほか