丹羽宇一郎 戦争の大問題―それでも戦争を選ぶのか。
-
-
4.0 • 1件の評価
-
-
- ¥1,600
-
- ¥1,600
発行者による作品情報
「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」
(田中角栄)
本書は、歴史家や軍事評論家が書く戦争論ではなく、国際的な見識を持つ代表的なビジネスマンであり、中国をよく知る元中国大使の丹羽宇一郎氏が、軍事や戦争に対する本質的な疑問を、戦争体験者や軍事・安全保障の専門家にぶつけ、そこから得た知見と教訓をまとめたものです。
戦争の痛みも知らず、戦力の現実も知らないまま、気に入らない国は懲らしめろという勢いだけがよい意見にはリアリティがありません。私たちは、いまこそ戦争の真実を追ってみるべきです。その上でもう一度、日本の平和と防衛を考えてみるべきではないでしょうか。
日本人は72年間戦争をせずにきましたが、同時に戦争を知ろうとせずに過ごしてきました。あと10年もすれば戦争を知っている世代がいなくなるでしょう。私たちは戦争の語り部を失ってしまうのです。
いまが最後のチャンスです。
■本書の3大特徴
1.戦場の真実がわかる
2.日本の防衛力の真実がわかる
3.日本が目指すべき道がわかる
APPLE BOOKSのレビュー
大手総合商社の元代表取締役社長で、中国駐在大使も務めた丹羽宇一郎が、現代日本のリアルな外交課題と戦争の不利益を明らかにする「戦争の大問題―それでも戦争を選ぶのか。」。アジアの政治状況に造詣が深い丹羽が、企業のトップ経験者ならではの経営的な観点から国家戦略を分析する。例えば、日本が第2次世界大戦に向かった経緯を、実際の企業経営の事例になぞらえながら検証。無謀ともいえる開戦に至った当時の状況と現在の相似点を見出し、強い警鐘を鳴らす。さらに、古代から繰り返されてきた歴史を参照した分析や、世界各地で戦った元日本兵たちへのインタビューなど、戦争のマイナス面を取材と資料調査に基づき解説。特に前者では戦地での悲壮な体験や捕虜としての生活を生々しく伝え、戦場の過酷な実態が真に迫る。そのほか、国防や安保、周辺国から見た日本の姿など、多角的な視点やテーマで論が展開し、重層的に問題を理解することができる。問題提起にとどまらず、最後には日本の進むべき道が提示され、今後の国際情勢を考える上で参考になる。