二階堂地獄ゴルフ(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

『カイジ』シリーズの福本伸行が、プロになる夢を諦めきれない男の悲哀を描く異端のゴルフマンガ。桜武カントリー俱楽部に所属する二階堂進は、ゴルフを始めて半年で初のプロテストに挑戦し、最後のパットを外して惜しくも合格を逃す。プロの輩出を目指す桜武の理事長と会員たちは合格するまで二階堂を支えることを誓うが、彼はそこから10年連続でプロテストに落ち続け、あっという間に35歳に。桜武の会員から支援を打ち切られ、後輩たちにばかにされながらも夢を捨てられない二階堂は、続けるも地獄、諦めるも地獄の11年目に挑む…。華やかなプロの世界にたどり着く前のゴルファーたちの実情にフォーカスを当てた本作。結果が出ずに孤立しながらも、愛するゴルフにしがみつく二階堂の姿に胸が熱くなる。