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Publisher Description

異種の動物を生活の中に受け入れ、完全に共生できるのは人間だけだ。犬を飼うことは、高度に人間的な行為といえる。本書は、エッセイと多数の写真でつづった、種の垣根を越えた愛と命の物語になっている。

2~3才児と同程度の知能を持っている犬は、生活の場で多くのことを学習し、人間化する。人間飼い主は、幼児に対するように注意深く犬を庇護する。両者のきずなは、生物が持っている本能によって強化される。


オーストラリア滞在中に貰い受けた、捨て犬だった雑種の大型犬モンタ。犬でも狼でもない亜種ディンゴの血が入っている、強烈な個性の持ち主だった。著者の家族は、モンタを人間家族の一員として育てた。


純系ディンゴの輸出は完全に禁止されていて、オーストラリア以外では動物園にもいない。モンタは雑種だったので、日本へ連れて来ることができた。

日本へ来た当初は戸惑っていたが、やがて日本的なものの全てに慣れた。刺激の多い日本の生活をとても楽しんだ。多くの驚きと喜びをもたらしたモンタは、誰からも愛され、幸せな犬生をおくった。


1年間の苦しいがん治療のあと、13才で永眠。最後まで大きく燃えた命の炎。最後の日もいつものように散歩をし、いつもの就寝時刻に自分のベッドに入り、そのまま息を引き取った。家族にとっては突然の死だったが、全てを予感していたモンタは、最後の日々にとても不思議な行動を取った。それを本書で詳述した。


短命な犬は、飼い主よりも先に死ぬ。子が親よりも先に死ぬことは、普通はあり得ない。親は、本能的に子の死を受け入れることができない。愛犬の死は、子の死に相当する。犬の死によって、飼い主は、子に先立たれた親のような深い悲しみに落ち込む。


著者の家族は、深刻なペット・ロス症候群を経験した。深い悲しみに落ち込んだだけではない。呼吸困難になった。この体験をもとにして、ペット・ロス症候群の心の出どころに深く切り込んだ。この章が特に重要で、命の物語として書き上げた。愛犬の死に遭遇する飼い主の皆さんに、本書を読んでもらえば、ペット・ロス症候群を理解することによって、悲しみがいくらかでもやわらぐと思う。


モンタの死後に、不思議な因縁が、最古の犬種バセンジーを家族の一員にした。バセンジーは、人間が初めて家畜化した犬といわれる。遺伝子解析から、現存する犬種の中では最古であることが分かった。

古代犬ラッキーも、普通の犬とは違う強烈な個性を持っている。モンタとは起源も由来も完全に異なるが、両犬の間には不思議な類似性がある。

著者は、小学生の時に最初の犬を亡くし、命の重みを知った。モンタが再び命の重みを教えてくれた。命の物語を継続させるために、最後にラッキーを登場させた。


著者は、大学では獣医学を学び、生物系の基礎研究を大学や研究所で行ってきた。そのような経験を本書で生かした。

GENRE
Nonfiction
RELEASED
2011
June 18
LANGUAGE
JA
Japanese
LENGTH
200
Pages
PUBLISHER
和戸川 純
SELLER
Hiroshi Watanabe
SIZE
50.2
MB

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