冨貴草
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Publisher Description
黒本3冊(合1冊)、富川房信画、柱題「冨貴艸(草)」。この題名で当館と東京大学図書館にある。内容は、『鬼女面福貴艸』(当館請求記号:本別13-5)黒本3冊に同じ。この題簽は「風流/新版/鬼女面福貴艸 上(下)」、欠の中冊分の題簽は東洋文庫(岩崎文庫)と『青本絵外題集』1(貴重本刊行会、1974.7)142頁にあり。題簽により版元は松村、卯(明和8[1771])年刊。(内容)飛騨の彫物師の孝行娘。(上)飛騨の彫物師太郎兵衛の美しい女房は、三浦左衛門義春の奥方に勤め、娘おこなを設け、夫婦睦まじく暮らすが、虚言他言という二人の眷属を使役し、色欲淫乱で邪法を行う霊鷲山の乾の大魔王渡陸天(とろくてん)に奪われる。太郎兵衛は白髭明神へ百日参り、神の告で様子を知り天竺に渡る。他言の子の口松に銭をやり、(中)進物を持参して他言に取り入る。他言は魔王の留守に女房を奪い日に三千里走る舟に乗せ他言無用にと別れる。大魔王は大川の水を飲み干し船を吸い寄せんと怒り、白髭明神が難儀を救う。年月経ち太郎兵衛は死去し、貧しいおこなを家主庄右衛門が預かる。家主の甥五郎蔵がおこなに惚れてつきまとう。おこなは父の細工を見覚えて母の面を刻み着物を着せて朝夕仕える。五郎蔵はおこなが拒むので般若の面に入れ替える。おこなが機嫌を伺うと母の面が鬼女となった故嘆き悲しむ。(下)おこなは面を風呂敷に包んで母の許へ行く途中追剥に遭い、白髭明神を念ずると俄に雷雨となったので般若の面を被り髪振り乱すと盗人ども驚き逃げ去る。上意で盗人を生捕った三浦家の沢田宗右衛門秋重は、おこなの孝行を感じ弟宗五郎重春に娶せ、おこなはいよいよ母に孝を尽くす。(木村八重子)(国立国会図書館デジタルコレクション解題より)
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タイトルヨミ:フウキグサ
著者標目:富川房信, 安永頃
著者ヨミ:トミカワフサノブ
出版者:刊
種類:黒本