出身成分
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4.5 • 2件の評価
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発行者による作品情報
この国に生を受けただけなのに、希望はどこにある――
平壌郊外の保安署員クム・ヨンイルは11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられた。犯人として収容されている男と面会し記録を検証するが、捜査の杜撰さと国家の横暴さを再認識するだけだった。実はヨンイルの父は元医師。最上位階級である「核心階層」に属していたが、大物政治家の暗殺容疑をかけられ物証も自白もないまま収容されている。再捜査と父への思いが重なり、ヨンイルは自国の姿勢に疑問を抱き始める。そしてついに、真犯人につながる謎の男の存在にたどりつくが……。鉄壁な国家が作り出す恐怖と個人の尊厳を緻密に描き出す、衝撃の社会派ミステリ長編。
カスタマーレビュー
木曜日の昼
、
深い…
中盤過ぎまでは淡々と進むので、これはなんの物語なんだ?とテーマがよくわからなくなり、読み進むのに数ヶ月を要しました。が、ある施設に行くことになる終盤からの反動はすごく、これでもかというほどにエンタテイメント性が上がるので一気に読んでしまいました。主人公が自分の人間性と向き合う内容は深く、ベーシックというか、なんというか、健全な思考で生きてきた人にはこのくだりはよくわからないだろうが、ここまで深淵を分析できて文章化できる作者さんは凄いなぁと思いましたし、気付きや確認にもなりました。深く刺さる人とそうでない人に別れるような気はしますが、私は読んで良かったです。ありがとうございました。