北斎になりすました女 葛飾応為伝
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4.7 • 3件の評価
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発行者による作品情報
「おうい」「おーうい」
仕事の合間、繰り返される呼び声。北斎の口ぐせ。
天才絵師の壮大な画業を支えた共作者、三女お栄の画号はここからきた。
光と影の女絵師・葛飾応為。
「美人画を描かせたら俺より上手い」と言わしめた、もう一人の天才。
署名を持たない絵を世界の美術館に探し、歴史の闇に隠れた女性の鮮やかな生涯を描き出す。
「おうい、どこいった」
〈目次〉
序 章 闇に消えた女
第1章 北斎の幽霊
第2章 応為誕生
第3章 光と影を描く
第4章 シーボルトのコレクション
第5章 長崎から来た男
第6章 北斎になりすました女
第7章 秘密の仕事
第8章 応為、夜を描く
終 章 応為はどこに消えたのか
APPLE BOOKSのレビュー
日本を代表する浮世絵師である葛飾北斎の娘で、自らも画家であった葛飾応為の実像に迫る。光と影のコントラストが見事な『吉原格子先之図』など、現存する作品はわずか十数点。海外では東洋のレンブラントと評されながら、国内ではほぼ無名の女流画家。応為に焦点を当てた書籍はこれまでにもあるが、史料の少なさゆえに小説という形をとらざるを得ないという実情があった。そんな応為の生涯を、綿密な取材を重ね、文献をひもときながら追いかけた初のノンフィクション。落款(らっかん)を入れず作品内に紛れ込ませる手法、晩年の北斎をサポートし、時には共作、時には代筆までしていたことなど、北斎と応為にまつわる数々のミステリーが明らかになっていく。2018年にテレビ番組として放送され、日本民間放送連盟賞の番組部門で最優秀賞を受賞した傑作ドキュメンタリーの書籍化。番組制作者自身が本書のために追加取材を行なって再構築した。デビュー作ながら迫力満点の出来栄えとなっている。