



半落ち
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4.1 • 176件の評価
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発行者による作品情報
「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。2003年このミステリーがすごい! 2002年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。(講談社文庫)
APPLE BOOKSのレビュー
警察組織や警官を軸とした推理小説を得意とする横山秀夫の「半落ち」。"半落ち"とは、容疑者が完全には自供しないことを意味する警察の専門用語。現職警察官であった梶聡一郎の妻に対する嘱託殺人事件を巡り、殺害から自首に至るまでの2日間の真実を追うミステリー。取り調べを担当する刑事から検察官へ、さらに新聞記者、弁護士、裁判官、看守へと多角的に視点を変える巧みなストーリー構成に引きつけられる。警察内部の上下関係、警官と検事、スクープを追う記者同士など、さまざまな組織内外での対立を軸とした人間模様。さらに、真実や正義を貫きたい一方で、自分の立場を守ろうとする複雑な心境といった組織で生きる人間の心理が、長年記者として活躍してきた著者の観察力や洞察力により鋭く描かれる。それぞれの思惑が絡み合う中、意外な事実が発覚し、ラストに待つ大きなカタルシスへとつながっていく展開は出色。アルツハイマーや介護、生きる意味など、高齢化社会に伴う数々の問題についても考えさせられる著者渾身の意欲作。
カスタマーレビュー
いいですよ
なるほどね〜
血液内科医ですが
主人公の息子さんが亡くなった病気が白血病と聞いて、興味を覚えました。現在はこの小説のテーマとなった「人間50年」の設定は崩れてしまいましたが、それでもこの小説の良さが消えるわけではありません。現実がどう、ということがその小説の価値を貶めることはないと思います。
ネタバレ
途中でオチがなんとなく推測できたが、それでも最後は目頭が熱くなりました。
名作だとおもいます。