吉原楊枝
Publisher Description
「吉原楊枝」
山東京伝 作
蔦屋重三郎 出版
山東京伝(さんとう きょうでん、1761(宝暦11)年〜1816(文化13)年)は、江戸時代後期の浮世絵師、戯作者で、売れっ子作家でした。
版元の蔦屋重三郎と組んで、娯楽小説である黄表紙、合巻や、遊女や遊客を書いた洒落本を沢山出しています。
吉原楊枝(よしわらようじ)は、1788(天明8)年に出された洒落本です。
通りすがりの不思議な家をこっそり覗いたら、吉原の遊び方の講釈に思わず聞き入ってしまう、という変な話。
短い話で、30分あれば読めるくらいの軽いものです。
ちゃんと落ちがあります。
原本はくずし字ですが、国立国語研究所で公開されている翻字本文を利用し、リフロー型の電子書籍にしました。
https://www2.ninjal.ac.jp/textdb_dataset/ywyj/
漢字、ひらがなは新字に統一され、句読点や会話の括弧が補われています。
活字の縦書きで読めて、文の調子が妙にいい。
ただし、古文らしさは残っています。
旧仮名遣いで、ひらがなカタカナ、繰り返し記号が混じります。
濁点は適宜補って、文も適当なところで区切って読みましょう。
ルビがほぼないので、「扨(さて)」「夫(それ)」「斗(ばかり)」など、はじめ戸惑うかもしれません。
調子よく読めますが、書いてあるのは、夜のお店の遊び方指南、男性向けガイドブックでしょうか。
巻末に広告が付いて、今と本の作りが同じなのに驚きます。また、煽り文句がうまい。
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女郎の客にあいとぐるに五段有リ。まづ初会には男ぶりと様子にほるゝなり。聞伝へたる客ならば。かく別はじめから気しやうのしるゝ物にあらねば男振リのよき方が利を得る也。又はたのおだてにてじふんはさのみと思はぬ客にもほれる気になる物也。
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*目次*
├吉原楊枝
│├叙
│├自序
│├吉原楊枝
│├自跋
│└広告
├付録 年表
└底本などに関する情報