和菓子のアン
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- ¥720
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発行者による作品情報
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(うめもときょうこ)(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの18歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは? 読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー!
APPLE BOOKSのレビュー
海外からやって来たゴージャスで珍しいスイーツに比べると、和菓子は地味な存在に映るかもしれない。けれど、日本の四季を先取りした材料や名前の由来を知れば、味わうだけでない楽しみが生まれてくる。日本文化や伝統が練り込まれた和菓子の未知なる世界に誘ってくれるのが、坂木司の『和菓子のアン』。『アンと青春』『アンと愛情』『アンと幸福』につながる人気シリーズとなっている。高校を卒業してもやりたいことが見つからないアンこと杏子が、東京のデパ地下にある高級和菓子店「みつ屋」でアルバイトを始めた。鋭い観察力と経験から客の揺れる心を読み解く店長、和菓子職人を目指すポジティブな同僚、怖いもの知らずの学生バイトの3人にかわいがられながら、杏子は和菓子とデパートの魅力にはまっていく。ショーケースに鎮座する美しく細工された上生菓子、お盆にたんまりと乗った大福や団子など、エピソードごとに登場する和菓子のうんちくを読むと、思わず食欲が湧き上がる。ちなみにタイトル群は名作『赤毛のアン』へのオマージュと気付いただろうか。