嘘と隣人
-
-
4.0 • 6件の評価
-
-
- ¥1,700
-
- ¥1,700
発行者による作品情報
背筋が寒くなるどんでん返しの快感
ミステリ・ランキング常連の注目作家による、新境地連作ミステリ。地獄は始まる。あなたの隣の小さな悪意から……。
目次
【あらすじ】
ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し……。
リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。
身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?
APPLE BOOKSのレビュー
ミステリーの名手、芦沢央が描く、身近に潜む悪意をテーマにしたどんでん返しの連作短編ミステリー『嘘と隣人』。初老の元刑事の周りで起こる五つの事件を描く。刑事をリタイアした正太郎は、妻と共に孫の面倒をたまに見つつ、平穏な老後を過ごしていた。しかし、そんな彼の日常に次々とやって来る事件の数々。捜査はできないが、刑事時代の勘や観察眼で事件の真相に気付いてしまう…。DVの夫による殺人未遂事件を描く「かくれんぼ」、昔聞き込みをした不動産業者から聞く飛び降り自殺の真相を巡る「アイランドキッチン」、外国人実習生として日本に来たベトナム人労働者の自殺とパワーハラスメントに迫る「祭り」。そして、電車で乳幼児の転落と痴漢が同時に起きた悲惨な事件の物語「最善」、SNSの投稿をテーマにした「嘘と隣人」の全5編。正太郎の目を通して現代社会の闇を浮き彫りにしながら、人間のふとした悪意や裏の顔を描き出す。どれも作り話とは思えないほど現実味を帯びているからこそさらに恐ろしい。この世界で一番怖いのは、やはり人間かもしれない…。第173回直木賞候補作。