四畳半タイムマシンブルース【電子特典付き】
-
-
4.6 • 31件の評価
-
-
- ¥730
-
- ¥730
発行者による作品情報
8月12日、クーラーのリモコンが壊れて絶望していた「私」の目の前にタイムマシンが現れた。後輩の明石さんたちと涼しさを取り戻す計画を立て、悪友どもを昨日へ送り出したところでふと気づく。過去を改変したら、この世界は消滅してしまうのでは……!? 辻褄合わせに奔走する彼らは宇宙を救えるのか。そして「私」のひそかな恋の行方は。
小説『四畳半神話大系』と舞台「サマータイムマシン・ブルース」の奇跡のコラボが実現!
※電子書籍特典として著者の直筆メッセージ画像を収録しています。
APPLE BOOKSのレビュー
森見登美彦の初期代表作『四畳半神話体系』のキャラクターたちが登場する『四畳半タイムマシンブルース』。上田誠の戯曲『サマータイムマシン・ブルース』を原案にしたオリジナル作品でもある。舞台は京都にあるおんぼろ学生アパート、下鴨幽水荘。大学生の“私”が住む209号室には唯一のクーラーがある。しかし、悪縁の同級生、小津のせいでクーラーのリモコンが壊れてしまった。次の日、灼熱(しゃくねつ)地獄に途方に暮れていた“私”の部屋の外では、思いを寄せる明石さんが監督となり映画サークルの撮影が行われていた。偶然にも彼女の撮った映像を一緒に確認していたところ、奇妙にも小津が2人映っているのを発見。そんな折、アパートの廊下に謎のタイムマシンが現れ…。タイムマシンという夢と希望と少しの恐怖が混ざった乗り物で、大昔や未来ではなく、リモコンが壊れる昨日にタイムトラベルするという四畳半スケールのこぢんまり感も絶妙。個性的な若者たちの汗臭くも淡い真夏の2日間がまぶしいドタバタ劇だ。2つの作品が見事な具合に溶け合い、京都の夏空の下、登場人物たちがわいわいとタイムマシンを囲む情景が目に浮かぶ。