声字実相義[声字義](高野版・粘葉装)
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発行者による作品情報
声字実相義[声字義](高野版・粘葉装)
【判型】大本1冊。縦256粍。
【作者】空海作。
【年代等】江戸前期刊。高野版。
【備考】分類「真言」。『声字実相義(ショウジジッソウギ)』は、空海の著書。1巻。『即身成仏義』『吽字義』とともに3部の書とされ、その他の著書を加えて10巻とした十巻章のなかに含まれる。『大日経』の具 縁品の一文をもとに、文字と音声とは、そのまま宇宙の真理の大日如来 を本質的に示現するものであると論じる(コトバンク)。
声字実相という言葉は大日経疏巻7に「如来の一一の三昧門の声字実相は有仏無仏法として是の如くなるが故に」と説かれるところに見出され、それは大日経巻二具縁真言品における真言の相を解釈するところである。従来の仏教では言語文字は真如実相を表現し得ないとしているが、大 師は大日経疏の思想に基づいて、声字がそのまま実相であると主張す る。この思想は具体的には法身説法の思想を明らかにしたものである。 法身説法の思想はすでに弁顕密二教論等で説かれ、それが顕密を区 別する密教の特色の一つとされたが、その法身説法の思想を詳説した ものが本書と言える。本書は第一「叙意」、第二「釈名体義」、第三「問答」の三章から成るが、第三「問答」が説かれていないため、古来より本書は未完の書とされる。本書の著作年代は明らかでないが、「五大の義は即身成仏義の中に 釈するが如し」とあるから、即身成仏義より後の著作である。(『弘法大師著作全集』解説参照)。