夜と霧 新版
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- ¥1,400
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Publisher Description
〈わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ〉
「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっている。原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後著者は、1977年に新たに手を加えた改訂版を出版した。
世代を超えて読みつがれたいとの願いから生まれたこの新版は、原著1977年版にもとづき、新しく翻訳したものである。
私とは、私たちの住む社会とは、歴史とは、そして人間とは何か。20世紀を代表する作品を、ここに新たにお贈りする。
Customer Reviews
望みを持ち、行動し続ける
正直、自分の生活で精一杯だし、仕事も終わらないし、自分の思い通りに1日が終わることなんてほとんどない。会社に行きたくもないし、ずっと寝て過ごしたい、そう思う。
一方で、本書では自分が経験しえない程の継続的な苦しみを受けながら、それでも望みを持ちつつ生き抜いた人間を描写している。
環境も経験も違うし、善悪、正誤を言うのはナンセンスだが、「望みを持ち、行動を続けていれば、なんとかなる」ことを学べた。
辛い時こそ、望みを持って行動し続けるべきだ。
文章の不具合有り。
文章の文字が一文字(漢字)表示されない箇所が何箇所もあり、不満です。改良してほしいです。
“生きる”とはつまり…
▪︎概要
1946年出版、ヴィクトール・フランクル著。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介している。Wikipedia
オリジナルのタイトルは”Man's Search for Meaning(人間が生きる意味を求めて)”。”夜と霧”の邦題にこめられた意味は?—— 夜陰に乗じ、霧にまぎれて人びとがいずこともなく連れ去られ、消え去った歴史的事実を表現する言い回し—— とのこと。みすず書房HP
▪︎体験と感情
著者の体験を、❶施設に収容される段階❷収容所生活そのものの段階❸収容所からの出所ないし解放の段階で書いている。それぞれの段階の心理描写は、当事者でないと到底わかりえない複雑さと意外性があり、自分の中の感情の引出しと比べながら読みすすめた。
悲劇の現場の生々しく具体的な描写もある。しかし、ただ悲哀なものととらえるのではなく、そこに芽生える人間の心的態度をなぞることに意味を感じる。著者同様、好奇心をもって、その事象をとらえ、逆説的に”生きること”を考えさせられる。
▪︎“生きること”の問い
わたしたちが”生きること”に何か期待すべきではない。”生きること”が私たちから何を期待しているかが問題。と筆者。コペルニクス的転回。
こう続ける。
”具体的な運命が人間を苦しめるなら〜人間はこの苦しみと向き合い、この苦しみに満ちた運命とともに全宇宙にたった一度〜ふたつとないあり方で存在しているのだという意識にまで到達しなければならない”
“苦しむこと死ぬことの意味にも裏付けされた、総合的な生きることの意味を求めて、私たちはもがいていた”
精神科医で心理学者のフランクルならではの、壮絶な体験に対してもなおあった好奇心と客観視により悟られた考えと思う。貴重。
▪︎人間とは?
フランクルのこの一節も重く心に響く。
“わたしたちは、おそらくこれまでどの時代の人間も知らなかった’人間’を知った。では、この人間とはなにものか。(中略)人間とはガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ”
▪︎その他ひっかかった表現
いい人はかえってこなかった・感情の消滅は自己保存のメカニズム・人は〜愛する人の面影を精神力で呼び出すことにより満たされることができる・自分は運命のたまむれの対象なのだ・私が恐れるのはただひとつ、私が私の苦悩に値しない人間になることだ・あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない・過去の中で永遠に保存される