



夜光虫
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4.1 • 19件の評価
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- ¥1,000
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発行者による作品情報
栄光に彩られた野球人生を全うするはずだった加倉昭彦を肩の故障が襲う。引退、事業の失敗、離婚、残った莫大な借金。加倉は再起を賭け台湾プロ野球に身を投じる。それでも将来の不安が消えることはない。苛立つ加倉は台湾マフィアの誘いに乗り、放水――八百長に手を染めた。交錯する絆と裏切り。揺れ動く愛と憎しみ。破滅への道しか進むことのできない閉塞状況のなかで解き放たれていく狂気……。人間の根源的欲望を描き切ったアジアン・ノワールの最高峰!
カスタマーレビュー
ぽるぽるぽると
、
傑作ハードボイルド
日本のハードボイルド作品として、傑作だと思います。暴力の場面も多いですから、好みは分かれる作品だとは思いますが。しかし、主人公の中で膨れ上がる暴力衝動の描き方も見事で、暴力を振るってしまうことの痛みが伝わって来るので、心が揺さぶられます。また、この著者の作品は、しばしば、マイノリティの人、置かれた環境のために心が歪んでしまった人への共感が感じられますが、それはこの作品にも当てはまります。人間の暴力や欲望、そして愛や純粋なものへの希求が描かれていて、私は素晴らしい作品だと思いました。